少女は港に立ち
行く船を見送っている


見送っているというより
眺めているのかもしれない

この港には
行く船も来る船もあるから



潮風に吹かれて
海を眺めていると

船に乗る人が
手渡された


花束や
手紙や
本の香りも

一緒に
吸い込んでいる感じがする



それは味わい深く
少女の体に沁み渡り

家に帰って
書き留めておくことも

少女にとっては
至福のひととき



夕方になると
教会の鐘の音がする

その音を聞くと
「魔女の時間だわ」と
心を躍らせる



台所に立って
野菜をコトコト煮こむ音

それこそが
魔女が薬を作ってる

そんなことを
感じられるひとときだから



わたしの家には
魔女がいる

誰だって
魔女になれるんだわ



彼女は
野菜を煮こむ音を聞く度に

その想いを
心の中で膨らませている






【追記】

魔女というと
どんな姿を想像するでしょうか

奥様は魔女のサマンサ?
魔法使いサリーちゃん?

(年代がバレますね)


でも不思議と案外
童話や洋画の中に出てくるのは

ちょっと意地悪だったり
捻くれていたりもしますよね



ただ
この少女が信じているのは

どういう性格とか
どういう容姿とかではなく

「お薬を作る人」という
イメージだったりします


それって
どんなお薬でしょうか?



この薬を
作り上げるのは

高尚な人物でも
科学者でもありません

難しい
化学式もないようです


美味しい
野菜スープのようなもの



あなたにとっての
お薬や野菜スープって?

どう感じるものであり
どんな味わいのあるものか


そんなことに
想いを馳せてみると

躍動感を
得やすい日かもしれません

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