会話を取り戻した
悲しいお姫さまは

今日は
森の中を歩いています


太陽は
キラキラと照っていて

とても
温かな陽気の日なのに


なんだか
お姫さまは

ちょっと
冴えない表情です



歩き疲れて
樹に寄り掛かったお姫さまに

大きな樹が
話しかけてきました



なんか
冴えない顔をしてるねぇ



お姫さまは
ぶすったれた顔をしています

そのまま
また口をききません



まぁ
いいさ

気が向いたら
話しかけておいで



樹が
そう呟くと

お姫さまは
とてもびっくりしたのでした



え?
気が向いたらでいいの?



樹は
応えました



そうだよ
なんでだい?

今まできみは
どんなふうに話をしていたんだい?



お姫さまは
やっとお話できるようになって

お話するのに
必死になっていたのでした


初めの頃は
お話する相手がいることが

とっても
楽しかったのだけれど


そのうちに
お話してないと

鳥がそばに
いてくれなくなる気がしたのです



鳥が
お姫さまの声を聞いた日

嬉しそうにしたのが
なんだか忘れられなくて


お話することが
鳥を喜ばせることなのだと

ちょっと頑張って
お話しするようになってました



ははは
そんなことをしてたんだね

それで
疲れて冴えない顔を?



お姫さまは
ぶすったれた顔のまま

小さく
その場で頷きました


樹は
更に続けます



ねぇ

きみのその
ぶすったれた顔を見て


ぼくが
はははと笑ったことに

きみは
気づいているかい?


きみがなにも
呟いていない瞬間に

ぼくが
微笑んでいることに

きみは
気づいているかい?



お姫さまは
大きく首を振りました

いいえの
首の振り方でした



きみが
なんにも話してない間

ぼくが
感じていたのはね


きみの
肌の温もりだよ

きみの体から
とくとくと流れる

きみの
命の音色だよ


きみが
ここまで歩いてきて

疲れて
ぼくに寄り掛かってくれて

ぼくは
きみの温もりを感じたんだ


きみが
ここにきてくれた

それだけで

ぼくは
ほっとしたんだよ



お姫さまは
ぽろぽろ泣きだしました

強がりなくせに
本当によく泣くお姫さまです



その日
お姫さまは

沢山泣いて
樹に寄り掛かってうたた寝をしました


そして
まだ少し

ぶすったれた顔の
余韻を残しながら

ちょっと
気持ちはすっきりとして

お城に
帰って行きました



樹は
ぶすったれた余韻を残した

悲しいお姫さまを
優しく葉っぱを揺らして

可愛いよという
メッセージと共に見送りました



その日
城に帰ったお姫さまは

ぶすったれた顔のまま
鳥にひとこと



今日はもう
なにも喋らないよ
おやすみ!



と言って
ベッドにもぐりこみました



喋らないよって
喋ってるよなぁ・・・と

鳥はくすっと
静かに笑って

お姫さまの寝顔と
夜空を眺めて過ごしました



夜空の月は
お姫さまを見守りながら

苦笑いして
自分を見つめる鳥を

静かに
微笑んで見つめていました




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これは
どこかの国の

悲しい
お姫さまの話



王妃は
遠い昔に亡くなりました

王様は
遠い昔に出て行きました


王様が
出て行った日に

お姫様は
王様と喧嘩したのです


そして
いなくていい


言ったのです


翌朝
目が覚めたら

王様は
いなくなっていました



お姫様は
その日から

ひと言も
喋らなくなりました



私の言葉は
人を遠ざけてしまう

私の言葉は
人を去らせてしまう



だから
2度と喋らないと

そう
決めたのです



城の中にいるときも
森の中を歩くときも



何年も経った
ある日

お姫様の
城に

一羽の鳥が
やってきました



鳥は
怪我をしていました


冷たい
ふりをしていても

本当は
寂しかったお姫様は


鳥を
手当することにしました



数日経って
鳥は元気になりました

鳥は
お礼を言いました


お姫様は
それでも喋りません


鳥は
それが

不思議で
不思議でたまりません



鳥は
お姫様に聞きました

なぜ
喋らないの?


それでも
お姫様は喋りません

それでも
鳥は喋り続けます



これまでの
自分の人生のこと

この城に
辿り着いた日のこと


しつこく
しつこく

話しかける鳥に
お姫様は怒鳴りました



黙ってて!!と




とお姫様が気づいて

また
鳥も去ってしまうと


ほろほろと
泣き出すと


鳥は
隣にやってきて

お姫様に
こう言いました



よかった
やっと話してくれた

とても
綺麗な声をしてるね



どんな言葉でも
鳥は聞きたかったのです

鳥にはお姫様の
声を聞くのが夢でした



どうして
あなたは

私の前から
いなくならないの?

お姫様は
鳥に聞きました



鳥は
答えました

あなたの
本当の声を聞きたかったから


声には
温度がある

声には
香りがある


あなたが
どんな話をしたとしても


わたしは
あなたの温度が好きなのだと

わたしは
あなたの香りが好きなのだと



だから
だから

助けてくれたから
それだけじゃなくて

ずっと
ずっと

あなたの声を
聞きたかったのだと



その日から
お姫様は

やっと
1人じゃなくなりました


鳥の前で
涙を流したその日から

やっと
1人じゃなくなりました



悲しいお姫様は
悲しみは抱えているけれど

お姫様の言葉に
寄り添ってくれる者がいると

やっと
知ることができたのでした


その日から
お姫様は

少しずつ
お話しするのが楽しくなりました





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